てらまんの投資録

アラサーリーマンによる投資中心の雑記

複利の力を最大限発揮するためには基本利確してはいけない

利確とは利益確定のことです。


投資には複利というものがあり、これは利益が利益を生み、生み出された利益がまた利益を生む循環ともいえる仕組みです。


投資ではこの複利の力を利用することで、指数関数的に利益の増加を加速させることができ、それこそ資本主義社会の本質的な構造、仕組みと同じことだと思います。


デイトレーダーのように頻繁に売買を繰り返す人(以下、投機戦略という)は、この複利の効果を最大限発揮することができなくなります。


日本では利益を確定した途端、その利益の 20.315%は税金で取られるというシステムがあるからです。


利益は確定した途端、資産が減るのです。(当たり前と言えば当たり前ですが)


投機戦略を取る場合、複利の効果がどう弱まるか、実際に計算してみましょう。


利確していない投資の利益が 1000 万あったとします。
税率は 20%とします。年間利回りは 4%とします。


この 1000 万をそのまま運用した場合、1 年後は
1000 万×0.04=40 万の利益を生むことが期待できます。


一方で利確した場合、20%は税で引かれるので 0.8 掛けとなり
1000 万×0.8=800 万が手元に残ります。


この 800 万を即再投資したとして、1 年後は
800 万×0.04=32 万の利益を生むことが期待できます。


この例で言えば利確した途端、40-32=8 万の翌年の期待収支を失うことになります。


よって投機戦略を取る場合、単純計算で長期積立投資の 1.25 倍程度以上のパフォーマンスを出さないと意味がありません。


労力を考えるならば、最低でも 1.5~2 倍のパフォーマンスを出さないと割に合わないでしょう。


ちなみに上記の例で言えば、4%×1.25=5%の年利を実現できなければいけません。


しかし投機戦略で長期積立のパフォーマンスを上回るのは非常に難しいことは言うまでもありません。


情報量、経験に優れたプロのトレーダーや圧倒的な財力を持つ機関投資家が蔓延る相場の世界で戦い、長期的にインデックス投資の 1.25 倍のパフォーマンスを発揮し続けられる程優秀な意思決定を続けられる一般人はほんの一握
りも存在するかわかりません。

 

相場の世界では、短期的に大きな利益を上げる成功者が一定数現れますが、そういった人は非常に高いリスクを取った結果であり再現性は皆無です。


なので、大半の個人投資家インデックス投資を長期でコツコツ積み立てるのが一つの模範的な正解という結論になるわけです。


安易に短期売買を繰り返すな、ということです。


少し話は変わりまして、不幸なことに日本では投機戦略を取る個人投資家がやたら多いです。


日経平均は未だに過去最高値の 38,915 円には遠く及ばず、長期投資に馴染みにくい環境であることが一因ではあるでしょう。

実際私も日本株に長期投資しようとは基本思いません。


東証控除率が低めの合法的な賭場のようにしている人が多いわけです。


しかもその大半の人は、何故か自分は勝てると思い込み、期待値の低い投機戦略を期待値が低いと気付くこともなく続け、いずれ必ずやってくる暴落に飲み込まれ退場していくのがテンプレ化し、それが投資の世界であると多くの人が誤解しているのは日本にとって不幸ですし、日本に住む人にとっても不幸です。


日本に眠る莫大なタンス預金が上場企業に流れ、少しでも GDP が大きくなり、日本が豊かにならないものかと思う次第でございます。