てらまんの投資録

アラサーリーマンによる投資中心の雑記

意思決定

人間が何を元にして意思決定を行うかは、大きく分けて2つあると考えています。

 

それは感情と理性です。

 

どちらが優れているかという話をするわけではありません。

 

飲食店などで、少し高くても食べたい物を食べるというように、ある種幸福の追求の為に感情的な判断をした方がいい場面もあります。

 

しかし、長期的に投資で資産を増やしていきたいのであれば、意思決定を感情に任せてはいけません。(株主優待目当てで個別株を買うなど、趣味程度であれば感情に任せていても問題ないと思いますが)

 

感覚的な話なので個人差が大きいと思いますが、

私を含む大半の零細な個人投資家は、直接自分のお金で株やETFを購入することのリスクが、何百億と持っている資産家と比較して大きい物に感じやすいかと思われます。

100億円持っている人が10%失っても90億円残りますが、100万の人だと90万になります。

 

数字だけ見れば10億円も失った前者の方が失った痛みが大きいに決まっています。

しかし、なけなしの100万円が90万円になってしまった後者の方が痛みを感じやすいのではないでしょうか。

 

幾分かの資産を失ったとして、残された金額の絶対的な数字が少ない方が人はより苦しく感じやすい傾向があるのではないかと筆者は勝手に思っています。

 

つまり何が言いたいかというと、我々零細個人投資家は、より強いメンタルを持って意思決定しなければならないということです。

 

投資において感情的な決断しかできない人間は、カモになり最終的に養分となってしまう可能性が非常に高いです。

 

失う痛みが大きいということは、より感情に意思決定を支配されやすくなる傾向があると考えられますが、それは投資においては危険な状態です。

 

短期的だとしても大事な資産が減ってしまうのは、誰しも苦痛が伴うかと思われます。

 

しかしそれすらも理性で乗り越え、短期的な暴落などに惑わされず長期的目線で投資し続けることが何より大事だと考えています。

ゼロサムゲーム プラスサムゲーム

投資は危ない、危険、9割の人間は負けて終わる。

 

投資に対するイメージとして、上記のように語られることが多いと思われます。

 

実際のところはどうなのでしょうか。

 

私は、短期投資はゼロサムゲームに近いと考えています。

 

一言で言えば、勝った人がいればその分だけ負ける人が現れる状態です。

 

その場合、一般投資家が専業トレーダーに勝ちこすことはほぼ不可能と考えていいでしょう。

 

普通に働いていれば、チャートを長時間眺めて購入や売却のタイミングを見極めることは難しいですし、専業トレーダーと比較して情報量に劣るので判断ミスが増えるからです。

 

素人が投資に手を出すと危ないと言われるのは、このことを言っているのだと思います。

 

何の知識もなく投資するのをやめた方が良いというのは、その通りだと私も思います。

 

しかし、投資するのに多くの勉強は必要ありません。

 

プラスサムゲームになる状況で自分のお金を投入すればいいだけなのです。

 

プラスサムゲームは、平均的にはそのゲームの参加者全員が勝ちます。(もちろん必ず勝てるという保証があるわけではありません)

 

世界全体で見れば、人間社会は今もなお成長を続けています。経済が成長すれば株価は上がるので、長期的に見れば株価は右肩上がりの状態になっています。

 

短期的には暴落することもありますが、それでも時間が経てばいつかは暴落前よりもさらに株価を伸ばすことがほとんどです。

 

投資の世界は、短期か長期でゼロサムゲームかプラスサムゲームかという性質が変わります。

 

これを理解していれば、投資は怖いものでもなんでもありません。

 

余談ですが、日本社会はバブル崩壊前の日経平均最高値を30年間も未だに超えられておらず、成長率も悪いので投資先としては現状あまり魅力的ではありません。

 

長期の視点でもあまり成長が見込めないのでゼロサムゲームもしくはマイナスサムゲーム寄りになる≒専業や資産家に勝つのが難しいので負ける可能性が高いということになります。

投資における再現性

投資において、再現性のない投資はするべきではないという話があります。

 

あなたは期待値がプラスだとしても、負ければ全財産を失う勝負に賭けることができるでしょうか?

 

例えば、全財産1億円を持っているとします。

 

参加費1億円で、以下のゲームを行えます。

 

1枚の〇が書かれたカードと9枚の×が書かれたカードがあります。

 

〇を引いた場合、20倍の20億円になります。

 

×を引いたら1億円は没収されます。

 

〇を引く確率は10%なので、このゲームをする場合の期待値は

 

〇のカード10%×20億円 + ×のカード90%×0円=2億円

 

期待値で見れば200%で、平均的には2倍になる計算になります。

この勝負は回数を重ねる程、理論上は自分にとって得になります。

 

しかし現実には、負ければ一文無しになる勝負に賭ける人間は、非常に高確率で破産してしまうでしょう。

 

一度負ければやり直しがきかない=再現性が無いのであれば、期待値がどんなに高くても投資するのは大きいリスクを抱えます。

 

仮想通貨等のボラティリティが高い物がこれに当たります。

今後も成長を続ける見込みはありますが、短期的に暴落する危険は常にありますので、全財産をつぎ込むのは基本的に間違いです。

 

では再現性がある投資とはどういうものなのでしょうか?

 

再現性のある投資とは、期待値通りの結果になる可能性が高い投資のことを指します。

 

以下の2つの要素によって決まると考えています(個人の意見です)

・投資期間が長期的であること

・投資先を分散していること

 

上記の二つは、試行回数を稼ぐことと同じ意味です。

 

20~30年という長期間では成長する見込みが高い投資先でも、ちょうど1年後の今日の時点で上がっているかどうかは運の要素が大きくなります。

 

しかし長期になればなるほど運の要素が減っていき、同時に再現性が高まっていきます。

 

つまり期待値通りの結果になる可能性が高まっていきます。

 

投資先を分散することも、試行回数を稼ぐことと同義です。

 

年平均4%ずつ株価が伸びる企業でも、何が原因で倒産し、株価が0になるかはわかりません。

 

仮に100社に分散投資すれば、その内の数社は倒産してしまうかもしれませんが、逆に株価を大きく伸ばす会社も出てくるでしょう。

平均的には経済成長している国に投資をすることで、長期的には高い確率(=高い再現性)で資産を増やすことができるでしょう。

 

インデックス投資は、気軽に何百もの会社に投資するのと同じ効果を得られます。

例えば、日経平均株価225のインデックスファンドに投資すれば225社に、S&P500のインデックスファンドに投資すれば500社に投資するのと同様の効果が得られます。

 

米国株が人気なのは、アメリカが長期的に安定して成長を続けている国であるからです。

嘘喰いに学ぶ投資の精神

「金に魔力を感じるな! 金は…金だ! ライターの火で燃える紙切れ 血…肉通う命より薄っぺらいんだ」

 

私は『嘘喰い』という漫画が好きで、上記のセリフは主人公 班目貘の私の好きな名言の内の一つです。

 

3千万円という大金を手にし、平静を保てない元多重債務者、梶。

貘と行動を共にして巨額の金を手にした梶に、貘は金に心を乱されるなと諭します。命懸けの戦いで大金を手に入れ続ける貘ですが、貘にとって金はあくまで己の目的を果たす為の手段に過ぎません。

 

貘は悪魔的な洞察力を備えていますが、それ以上に勝負に勝つための準備、知ること、考えることを決して欠かさないキャラクターです。

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考えまくる班目貘

 

勝つべくして勝ち続けるキャラクターとして描かれているわけですが、現実でも同じように当てはめられます。

 

私たちが生きる世界でも、知らない、考えない、準備をしないことで、様々な搾取をされます。

 

税金の知識が無ければ、節税できるところで払わなくてもいい税金を払うことになる可能性があります。

行政から受けられるサービス、支援金なども存在を知らなければ申請し享受することもできません。

格安SIMの存在を知らなければ、大手キャリアに高い通信費を支払い続けます。

 

世の中には、無知な人、考えない人から搾取する仕組みが至る所に張り巡らされています。

 

冒頭の嘘喰いの主人公 班目貘の相棒となった梶も、最初は自分の決断を感情に支配されていました。感情に支配されると、人は非合理な決断をし、その結果搾取されてしまいます。

 

搾取するのは、世の中の仕組みを作る人、仕組みを理解しそれを利用する人、いずれにせよ 仕組みを知り、理解することを怠らなかった人間であることは間違いありません。

 

投資においても、無知な状態で大金をつぎ込むとその大半を失いかねません。

無知だとそもそも詐欺に遭う危険が付きまとい、詐欺には遭わずとも投機的な取引を繰り返して損失を膨らませてしまう結果になることもあります。

 

最大のリスクは常に知らないことから生まれます。

 

投資をする上では、メンタルコントロール、自制の力を養うこと。

その為には、必要な正しい知識の吸収、情報収集、入念な準備を怠らないことが最も大事と考えます。

貯蓄力、入金力

投資をする上では先立つものが不可欠です。

 

平均年率4%と仮定するなら、1年の収益は

10万円で4,000円

100万円で40,000円

1,000万円で400,000円

 

100万にも満たない少額の投資は資産形成においてほぼ役に立ちません。

 

もちろん無意味とは言いません。投資をしたことがない人にとって、投資がどういうものかを知る良いきっかけになり得ます。

 

しかし資産形成の為の投資をするのなら、まとまった元手が必要になります。

 

もちろん最初から数千万ほどの潤沢な資金があれば話は別ですが、多くの人はそうもいかないのが現実でしょう。

となれば、まずは資産形成のための資金を作らなければなりません。

資金を作る為には、当然ながら貯蓄が不可欠です。

つまり貯蓄力を高める必要があります。

 

貯蓄=収入-支出

 

貯蓄を増やす手段は大別すると2つしかありません。

 

・収入を増やす

・支出を減らす

 

個人的により重要と考えているのは、収入増よりも支出を減らす力です。

 

理由は単純で、いくら収入が増えても使いこんでしまっては資産形成の観点からだと意味がないからです。

 

年収1000万でほぼ貯蓄無しの人より、年収400万で毎年100万ずつ貯蓄できる人の方が将来的に大きく資産を築けるでしょう。(もちろん高収入で倹約するのが最良なのは言うまでもありません)

 

支出を減らす方法はネットで検索すればたくさんヒットするのでここでは割愛します。

根本的なマインドとしては、まず無駄なお金を使うことを嫌いになるといいです。

 

私自身 無駄金を使うのが嫌いで、お酒や食事以外のお金を生まないものにお金を突っ込むと気分が悪くなるほどです。

用もなくコンビニに入ったりすることもありませんし、一人でカフェに入ってコーヒーに300円払うようなことも絶対にしません。

 

貯蓄ができたら、米国株等 長期的に右肩上がりのインデックスファンドにぶちこんで長期運用しましょう。再現性を高める為に最低でも15年程度は積み立て続けるようにしましょう。

 

このぶち込める力を、巷では入金力と言われたりします。

 

長期投資における基盤は、貯蓄力からの入金力なのです。

幸福になるために

投資とは直接の関係はない話です。

 

日本人は幸福指数が低いと言われています。2021年最新の世界幸福度ランキングで149か国中56位となっています。

 

これだけ見ると、日本は真ん中よりは上なのでそこまで低くもないと捉えられますが、欧米諸国をはじめ先進国内では比較的下位に位置します。

 

このランキングの詳細な調査基準については触れませんが、GDP社会保障の手厚さなど、基本的には個人の力が及ばない客観的要素で判断されているようです。(当然と言えば当然ですが)

 

とはいえ、個人の力で幸福になれないわけではないです。

 

何をもって幸福とするかは結局その人の価値観で決まります。

客観的に幸福でないと明らかな状況でない限りは、考え方次第で今すぐに幸福だと感じられるでしょう。

 

現状でも幸福感を持って生活していますが、私は怠け者なので金銭的に自由である状態で仕事をせずに今の彼女とのんびり暮らし、趣味の音楽やポーカーに興じ、たまに友人と飲んだりするのが最大の幸福だと考えました。

 

投資をするのは、金銭的自由を得られる方法の一つだと考えたからです。

 

昨今でFIRE(経済敵独立、早期リタイア)がブームになっているのは、自分と同じような価値観の人がそれなりにいることを表しているようにも思えます。

 

投資をする理由は人それぞれだと思いますが、私はあくまで幸福の追求の為にやります。

 

なお、最終目標は55歳までに1億です。

絶望的な日本社会

これからの時代は、資産形成として労働収入以外で何かの手段をもつことは必須であると考えます。

 

その手段の一つとして、投資があります。

 

日本はこれから成長する見込みが薄く、個人の力で生き抜く必要性が高まっています。

 

言い換えると、労働者として企業に依存して生活費を稼ぐことが難しい=終身雇用形態の終わりが見えている時代と言えます。

 

成長の見込みが薄い≒投資先として適切でない理由は延々あげつらうことができます。

 

日本は未だにバブル時代の日経平均最高値を超えることができていません。

 

また、給与も約30年上がっていないどころか、30年前と比較して平均年収は下がっている始末です。

 

対して物価は上昇を続けているので、実質賃金は数字で見る以上に下がっているでしょう。

 

例えば東京23区の新築マンションの平均価格ですが、2001年には約4700万に対し、2020年では約7700万と1.6倍を超えています。

他の地域でも、価格が上昇していることには変わりありません。

 

東京23区の新築マンション購入という観点で見れば、現在の100万円は2001年において60万円程度の価値しかありません。

当然マンションのみでなく、今後あらゆるものの価格は上昇傾向にあるでしょう。

つまりお金の価値が下がっていくことを意味しており、これからもそのトレンドが変わることはほぼありません。

現金を持ち続けることは、資産が目減りしていくことと同義なのです。

 

少子高齢化を止めることもほぼ不可能で、2050年には人口約1億人、2060年には人口は9000万人を割り込む試算です。(2021年現在、約1億2500万人)

生産年齢人口の割合も大きく下がり続けます。

 

経済成長は人口成長に比例すると見るのであれば、長期的に日本経済が衰退する可能性は高いでしょう。

 

収入の依存先も、投資先と同じように分散していきましょう。